Tokyo Docsは今年5年目を迎えます。2011年、東日本大震災の年に、ドキュメンタリーの国際共同製作によって日本から世界に向けて訴えかけようという狙いで慌ただしく立ち上げたのがつい先日のように感じられます。ドキュメンタリーの国際共同製作とは何か、どのような企画が国際共同製作に向いているのか、ピッチングはどうすべきか、交渉はどう進めるのかなど、文字通り手探りで進んできました。
お陰様でTokyo Docsは順調に成長を続け、何本もの優れた国際共同製作作品を生み出してきました。日本国内のドキュメンタリー制作者の間でピッチングという馴染みのなかったプレゼン方法についての認識が広まり、新しく挑戦しようという若い制作者が増えているのは嬉しいことです。また、海外のドキュメンタリー関係者にもその成果が広く伝わり、Tokyo Docsの知名度は今や飛躍的に高まっています。
5年目の今年、93本のドキュメンタリー企画が国内外から寄せられました。そのうち30本がアジアからの企画でした。実行委員会での選考には今年から海外のプロデューサー2人の意見も取り入れ、その結果として選ばれた25本の企画がピッチングセッションで提案されます。日本の抱える様々な課題、日本文化の多彩な魅力、日本から見る世界の課題などに加えて、アジアの人々が抱える様々な課題についても、新鮮な切り口による問題提起が行われます。
昨年からアジアと日本の制作者同士の交流に積極的に取り組んできました。その結果Colors of Asiaという統一テーマによる4本のドキュメンタリーの国際共同製作が成立し、日本および共同製作に参加したアジアの国々で広く放送されることになります。この取り組みには今後も更に力を入れる方針で、今年も新たな企画の検討が行われます。
昨年策定した中期計画に従って、2020年までにヨーロッパや北米の主要なドキュメンタリー祭に並ぶアジアの国際共同製作の中心になるという目標に向けて、更なる努力を続けるつもりです。関係者の深いご理解と温かいご支援に深く感謝するとともに、引き続きのご支援を心からお願い申し上げます。
Tokyo Docs実行委員会委員長
NPO法人東京TVフォーラム 理事長
NHKで30年以上にわたりドキュメンタリーを中心に番組制作にあたり、国際的評価の高いドキュメンタリーを多数制作。その後「NHKスペシャル」の責任者を務める。NHK退職後は関連会社でNHK番組の海外販売を統括し、2011年以降、Tokyo Docsの運営にあたる。
株式会社テムジン 代表取締役社長
87年、製作会社テムジン設立。以来、プロデューサーとして数多くのドキュメンタリー番組を製作。特に中国の社会問題や日本と中国の現代史をテー マにした作品が多く、モンテカルロ国際映像祭ゴールデンニンフ賞を始め、国内外の賞を多数受賞。最近はアジアの製作会社同士の共同製作を進めている。
株式会社ドキュメンタリージャパン 執行役員
1981年 TV制作会社のドキュメンタリージャパンの創設に参加し、数多くのドキュメンタリー番組を制作。ATP賞グランプリを受賞。2001年代表取締役に就任。全日本テレビ番組製作社連盟の執行理事としてコンテンツの国際展開、国際共同製作などの推進に努める。
株式会社テレビマンユニオン 国際購入担当
プロデューサー
ウィスコンシン州立大学大学院でメディア教育を専攻後、1996年にテレビマンユニオン入社。映画の権利購入や放送業務と並行して、ドキュメンタリー番組のプロデュースも手がける。2012年以降は映画の劇場公開など総合的な展開も担当している。
上智大学文学部新聞学科 教授
上智大学文学部新聞学科教授。1961年、札幌生まれ。1990年上智大学大学院博士課程修了。日本民間放送連盟研究所を経て、1994年上智大学文学部新聞学科講師、同助教授、コロンビア大学客員研究員などを経て、2007年より現職。衆議院総 Tokyo Docs 務調査局調査員を務める。専門は、メディア論、情報社会論。著書に「放送メディアの現代的展開」(ニューメディア)など。
株式会社インプレオ 代表取締役
1987年NHK管理部門に入局。退職後、国際会議コーディネーター、日米豪合作映画のバイリンガルアシスタントなどを経験。2001年有限会社インプレオを設立。通訳翻訳、多言語版映像制作、WEB/カタログ制作、人材派遣/マネージメントを中心に事業展開している。
株式会社アマゾンラテルナ プロデューサー
1986年以来、「調査報道」「サブカルチャー」「ドキュメンタリードラマ」「海外との双方向生放送」などの番組制作に携わる。テレビ放送や劇場上映と並んで、ドキュメンタリーがネット上でも正当な対価と評価を得る日が到来することを目指すも…今のところ妄想の域を脱していない。
株式会社エキスプレススポーツ 代表取締役社長
テレビ局でドキュメンタリー番組の製作やスポーツ放送権交渉・契約業務に従事。エキスプレススポーツは、スポーツ中継やスポーツドキュメンタリー番組の製作を行うほか、国際スポーツ大会の際に海外放送機関に各種放送サービスを提供。
株式会社東京ビデオセンター 代表取締役社長
1982年東京ビデオセンター入社。情報・報道番組ディレクターをへて、92年からドキュメンタリー番組を中心としたプロデューサー業務につく。ATP賞グランプリ、国際エミー賞、日本賞グランプリ受賞。
株式会社クリエイティブ・ネクサス 代表取締役
1989年現在のCRネクサス入社。ドキュメンタリーと情報番組のプロデューサーを務める。現在は日本文化を外国人の目で紹介する「クールジャパン」や人間力を発掘する「欽ちゃんの全国びっくり王!」など特番をプロデュース。
ATP賞、郵政大臣賞、優秀賞、児童福祉文化賞など。
株式会社共同テレビジョン 権利開発室 室長
1986年共同テレビジョンに入社以来、17年間ドラマ制作に従事。プロデューサーとして数多くのドラマを制作。以降、自社番組の契約業務、著作権管理、番組販売業務に従事。
株式会社ヴィジュアルフォークロア 取締役
プロデューサー
1981年から日本とアジア諸国で、自然と風土、そこに生きる人々の民俗的ドキュメンタリーの他、歴史・情報番組、山岳紀行番組などを制作してきた。映画 では東北の山岳信仰、黒潮の海洋民族についての作品がある。アジアの現地スタッフとの共同制作を目指す。Tokyo Docsでは個別ミーティングを担当。
株式会社パオネットワーク 代表取締役
28年間報道・情報系のディレクター、2010年からプロデューサーとしてTVのドキュメンタリーに関わる。人間そのものよりも人間を取り巻く社会・政治・経済に関心あり。
NHKエンタープライズ 国際事業センター 国際企画 エグゼクティブ・プロデューサー
Tokyo Docsアドバイザー
1983年NHK入局。主に国際的なニュースやドキュメンタリーを担当。2005年からMICOでNHK番組の国際配給を行う。2009年にBS世界のドキュメンタリーのプロデューサーとなり、2012年から現職。海外の制作者と積極的に国際共同制作を行い、Tokyo Docsの企画、運営にアドバイザーとして参加している。